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これは、私自身が体験した事実です…。

投稿者:市来

読者数:3294
2003/05/16(Fri)03:20
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国見岳
これは、私自身が体験した事実です…。
















 
 
 
 
 



 
 
これは、私自身が体験した事実です…。       
大猿

 鹿児島県の山と言えば、紫尾山、長屋山、国見岳とあるが、何処からも沢山の花(寒蘭)が発見されている。その中の国見岳(標高は紅花 桃花とか斑入り等が発見された山で、これからも多くの名品が発見される山でも有ります。この日、平成8年7月の日曜日は良い天気で蘭の自生地を見に行きたくなり、国見岳へ。国見岳は栗野の幸田から幸田頭に入り、国見岳に登るのだが、幸田頭から登る入り口が判りずらい私も今回、国見岳に登るのは初めてで、登る道が判らなかった。そこで田で、仕事をしているおばあさん(80歳位)が居たので聞いてみた。

 おばさんは私を見ながら薩摩弁で「おはんも蘭取いな」(あんたも蘭取りですか)と聞いて来た。私も薩摩弁で「ないごてじゃひか」(如何してですか)と聞くと、この時期になると一日何人もの人が聞いて来ると言うのだ。さすがに今は余り尋ねられないが(寒蘭のブームが無くなり)、その頃は一日に何回も同じ事を聞かれるので、自分の田んぼの畦に看板でも建てようかと思ったそうだ。一時色々な話をしてお別れした。この国見岳は頂上まで綺麗に舗装がしてある。

 20分位車で登ったろうか、頂上近くの右側が蘭の取れた山で余り大きな山ではない。ここが桃花の出た所だ、早速、山に入って見た。すると土が掘り返され何も生えていない。まるで畑だ。土中に有る蘭玉まで持ち帰ったのか、木の根が露出して上は枯れ、今にも倒れそうだ。場所を変え、隣の山が雑木林。入って見た。

 中に入るとひやっとする。涼しさが感じられた。そして下草が無い、腐葉土の層が覆って木漏れ日が、あちこちに射している。この山は低木と高い木が有り中木が無い。低木が頭を擦るので頭をかがめて歩いたが、とうとう四つんばいに成って進む。まるで獣になった様だ。蘭を見つけるにはこの方が良い。横から見たほうが眼に入りやすい。しばらく進むと前に青い物。「蘭」…?、蘭である。

 二枚葉、今出て来たばかりの様である。腐葉土が厚く葉の先が少しだけ出ていた。少しの下草でも生えていれば判らなかったであろう。山で見る蘭は綺麗だ、至福の時。しばらくしてからその場を後にし、又四つんばいで進む。ここの山は昔、大木が有ったのであろう。大人何人かで抱えるような切り株があちこちに有る。そして夢中で下ばかり見て進んでいると、前に又切り株が有る。見てはいない。見てはいないのだが切り株が有る事は判る。しかし今度の切り株は少し変っている。

 今までの切り株とは何処か変っている。切り株の上に何か有るのだ。切り株の上に茶色い物が有る。直ぐ見て確認すればいいのに、なぜかそれをしない。下を見ながら進む、切り株まで後間直、そこでやっと切り株を見る。そこに有るのは、いや居るその切り株の上に居るのは、猿!猿が座っている。それも大きい大人の女性位だ。そして今、眼と眼が合っている。向こうもこちらをジーッと見ている。

 こんな近くで猿を見るのは初めてだ、しかも野生の猿である。この場を如何すればいいのか。段々血の気が引いて行くのがわかる。風も無く、自分の鼓動だけが頭の真に響く。脳の血管が弾けそうだ。そして目を離さずユックリ下がる。今来た道を後ろ向きに、ゆっくりユックリ音を立てないように、眼を離さず今来た道を少しすこしづつ。猿はまだこちらを見ている。 怖い。何んと時間の長い事か。心臓は早金を打っている。低木で猿が見えなくなったのを確認して立ち上がり、前を向いて歩き出す。そして、やっと道端にたどり着き、後ろを見るが木々だけ。車の側に来てから山を見上げた。

 風も無いのに枝葉が揺れている。ザザー−−−ッと葉と、葉が擦れ合う音。猿は集団で行動すると言うが、猿の姿は見えない。背中には水を浴びた程の汗。あの猿はボス猿で見張りをしていたのか。それとも私が下に居たので上から降りて来たのか。あの猿はこの国見岳の守り神だったのかも知れない。


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そのときの状況が目に浮かぶようで読んでいて失礼かもしれないが非常に楽しい。
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