ご利用の前にお読みください。

概要

★潅水に付いて書物などには「春秋は一週間に一度程度」などと有りますが、南北に長い日本の気象には大きな違いが有ります。気象庁から発表されるデータを利用する事で、貴方の作場に最も近い条件での適正な潅水日を予測する事ができます。また、潅水量の多少などには各々の癖が有ります。そのような場合も、同一条件に達する日を予測できます。

★蘭の栽培用に数種類の用土や鉢が有り、作場の環境も各々異なりますが、貴方が栽培されている環境や用土や鉢に合わせた、きめ細かい潅水日予測が可能です。

★寒蘭、春蘭の基礎的な栽培データが保存されていますので、潅水予測以外に施肥の予測現在の蘭の活動状態消毒の要不要月別の作業内容などが表示されますので、初心者でも楽に東洋蘭の栽培を楽しめます。

★もし全く無菌状態であれば、毎日潅水を行う方が成長は良くなりますが、通常の作場で無菌状態は有りえませんので、必然的にバック木の根が悪くなりバック落ちが早まります。それに対して、潅水をうまくコントロールする事ができれば、10年間葉傷み無しの株を仕立てる事もできます。(経験済みです)当然そのような株では根傷みは殆ど有りません。シミュレーターをうまく利用する事で、促成栽培の株を作るのではなく、ベテラン並みの根傷みの無い充実した株を作る事も可能です。


使用方法

★基本操作は基礎データの各項目を選択して[結果を表示]を押すだけです。結果表示画面で[データを保存]すると、次回から設定した条件が自動的に記入されます。

★初めて使用する場合は、必ず「前回の潅水日」を記入して、結果表示画面でデータを保存してください。その際、本日潅水するにチェックを入れた場合だけ潅水日が保存され、次回の使用から「前回の潅水日」が有効になり、潅水日以降の気象データから鉢内含水量のシミュレートが行われます。

★数日後、「そろそろ水遣り時かな?」と思ったら、潅水シミュレーターで確認してください。現在、鉢内に水分がどの程度残っているかが分ります。「潅水適期」と表示された場合は潅水を行いますが、「潅水可能」であった場合はもう少し先に延ばすほうが根には良い結果になります。

★また、前回の潅水から現在まで、鉢内に残留している水分量がどのように変化したか時系列に沿って表示されますので、少し慣れれば蘭の保水状態が分ります。例えば、鉢内含水量が高い状態が長く続いた後、急速に「潅水必要」状態になったとしても、あわてて水遣りをする必要は有りませんが、逆に、急速に「潅水可能」状態になり、その後数日経っても中々「潅水適期」にならなかった場合は、急いで潅水をする必要が有ります。勘に頼るのではなく、データを参照しながら、この様に意図的に早めに潅水したり遅らせたりする事が可能になります。

★作場以下の項目はデータの微調整のためです。実際の潅水日と一致する様に設定すると、それ以後は鉢内が同一条件になる日が分ります。(詳細は下記を参照してください。)

 


記入するデータ

★User - IDとPasswordが記入されている事を確認の上、「前回の潅水日」の各項目を選択します。既にデータが保存されている場合は記入済みになっています。

★「前回の施肥」はデータが保存されている場合は記入済みになっています。年間を通じて肥料が必要な活動期には一ヶ月に二回液肥を施す事を前提としています。必要な時期が過ぎても施肥されていない場合は警告が表示されます。

★「前回の消毒」は蘭が活動していて消毒が行われていない場合に警告が表示されます。

有効積算温度とは植物の生長に必要な有効な気温を一年間に渡って積算したものです。多くの農作物で成長の目安として使用されます。特に寒冷地での寒蘭の栽培では、積算気温の不足が予測されますのでこの機能を付けました。データは12月31日で更新されます。

★「最寄の気象観測地点」は原則として自宅に最も近い測候地点を選択します。ただし、地域による気象条件が測候地点と極端に異なる場合(海沿いや高地など、明らかに測候地点と気象条件が異なる場合)は、次善の策として比較的条件が近い近隣の測候地点を選択して下さい。

★「作場の気温」は上の条件を補正する為です。単純に標高差がある場合などに使用してください。通常は変更する必要はありません。

★「作場の環境」はシミュレート条件に最も影響を与えますので、慎重に決定してください。「日当り風通しが良い」は一般的な春蘭の作場よりも良く乾く場所(洗濯物の乾燥場所程ではない)を目安としています。「普通の日当り風通し」は春蘭と寒蘭の併用程度で、「日当り風通しが悪い」は直接風が当たらない場所を想定しています。

★換気扇や扇風機を使用して強制的に鉢を乾かしている場合は「日当り風通しが良い」を選択してください。また、施設内で加温栽培を行っている場合は、気温データが反映されませんので、その期間のデータは無視してください。

★「栽培品種」は栽培している主な種を選択して下さい。一般的に寒蘭はやや湿り気味に、春蘭はやや渇き気味に管理されています。目安として、寒蘭を選択した場合の潅水日は鉢内の水分量が飽和水分量の65%以下(60%から変更)に達した時点としています。(75%以下になると潅水可能、65%以下は潅水適期、50%以下は潅水必要、40%以下は過乾燥)と表示されます。春蘭の潅水日は鉢内の水分量が飽和水分量の60%以下(55%から変更)に達した時点としています。(70%以下になると潅水可能、60%以下は潅水適期、50%以下は潅水必要、40%以下は過乾燥)と表示されます。

★「潅水方法」 普段何気なく潅水を行っていますが、実際に計測すると「毎回同じように潅水する事は不可能である」事が分りました。計測値を安定させるために実測では「土粒にたっぷりと行き渡るまで」を基本としましたが、これは「この様な潅水をする方は少ないと思えるほど充分な潅水」を行った場合です。通常は「鉢内の空気が入れ替わる程度」を選択して下さい。ただし、潅水量が安定しないため、実測値と異なる場合が発生します(最大誤差20%)。この傾向は外気の影響を受けやすい「素焼き鉢+ダケ土」や「楽鉢3.5号+鹿沼土」などで顕著になります。標準データとした「焼〆5号鉢+さつま土」の潅水時の最大誤差は3.98%てした。

★「培養土」実際に使っているものを標準にしてください。含水量の小さい砂やダケ土は鹿沼土などに比べて毛細管現象が起こり難く、実測では3日程度で階段状に減衰しますが、シミュレートでは直線的に表現されます。

★風通しがよく日照時間が長く、潅水量が少なく良く乾く土と鉢を使用した場合に最も変化が大きくなりますが、平均から得られた数値を代入する関係で、現状はやや変化が大きく出る傾向が有ります。(日別最大誤差5%程度)

★結果として表示される「有効積算気温」は農作物では頻繁に用いられますが、東洋蘭の栽培で用いられた事は有りませんので、現状ではデータも有りません。「一年一作」に必要な有効積算気温を求める事が目的ですので、結果が出ればデータを追加します。

★それ以外も集計データが増える度に追加変更しますので、今後は安定性が向上すると思います。

★機械的シミュレートのため、必ずしも実際の環境と一致するとは限りません。鉢内の乾燥状態の目安とお考え下さい。


その他

★データが無い場合は、気象庁から直接ダウンロードしますので少し時間が掛かります。(通常は最長10秒以内)

★通常ブラウザのキャッシュ機能のためにデータが更新されず、最新のデータが表示されません。必ず[最新の情報に更新]を行ってください。

★観測地点は気象庁の発表地点だけですが、より詳細な地点(アメダス)を参考にして自分で統計を取りたい場合は気象庁、気象統計情報を参照してください。

★データを利用して潅水した結果失敗したとしても、AONには一切の責任は有りません。各自の責任である事を了承した方だけご利用ください。

★東洋蘭栽培シミュレーターはホームページではなく、Web上のアプリケーションです。利用率が高くなった場合は、個人別データの保存機能以外にも補助的な機能を追加する予定です。